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村田 勲*; 西尾 隆史*; Kokooo*; 近藤 哲男*; 高木 寛之*; 中野 大介*; 高橋 亮人*; 前川 藤夫; 池田 裕二郎; 竹内 浩
Fusion Engineering and Design, 51-52(Part.B), p.821 - 827, 2000/11
被引用回数:8 パーセンタイル:50.62(Nuclear Science & Technology)LiAlO、LiTiO、LiZrOは核融合炉の先進増殖ブランケットの候補材料として開発が進められている。しかし、これらの材料に関するD-T中性子によるベンチマーク実験はこれまでに行われたことがなく、したがって核設計に使われる核データの精度検証も行われていない。そこで大阪大学と原研の協力により、原研FNSにおいてそれらの材料に関するベンチマーク実験を行った。10~40cm厚の実験体系にD-T中性子を入射し、背面から漏洩してくる中性子のスペクトルを飛行時間法により0.05~15MeVのエネルギー範囲で測定した。また実験解析を輸送計算コードMCNP及び4種の評価済み核データファイル(JENDL-3.2,JENDL-Fusion File,FENDL-1,FENDL-2)を用いて行い、実験結果と比較した。その結果、これらの核データに大きな問題点はなく、信頼をもって炉の設計に使えるものの、今後のデータの改良につながるいくつかの知見が得られた。
土谷 邦彦; 河村 弘
Fusion Engineering and Design, 39-40, p.731 - 737, 1998/00
被引用回数:1 パーセンタイル:15.03(Nuclear Science & Technology)核融合炉ブランケットでは、天然に存在しないトリチウムを燃料として使用するため、トリチウム増殖材が装荷される。本研究では、海水採取LiCO及び鉱石採取LiCOを始発粉末として用い、固体トリチウム増殖材である-LiAlOペレットを試作し、基本的特性への影響を調べた。本結果から、固相反応により製造した2種類の-LiAlOペレットは、焼結温度と密度の依存性においても同等の製作性を有することが明らかとなった。また、特性評価から、この2種類の-LiAlOペレットは、同等の性能を有することが明らかとなった。以上の結果より、鉱石採取LiCO粉末を用いて製造したトリチウム増殖材と同等のものを、海水採取LiCO粉末を用いることにより製造できる見通しが得られた。
工藤 博司
Radiochimica Acta, 50, p.71 - 74, 1990/00
中性子照射したLiO、LiAlO、LiiO、LiSiO、LiZrOおよびLiZrO結晶を真空中で加熱すると、生成したトリチウムは主としてHTO(g)の化学形で気相に放出される。その放出速度は結晶中でのTの拡散に支配され、その拡散能は結晶中でのリチウム原子密度の増加とともに高くなる傾向を示す。その要因について考察し、結晶中でのOTイオンとLiイオンの相互作用が重要な役割を演ずることを明らかにした。
奥野 健二; 工藤 博司
Journal of Nuclear Materials, 138, p.210 - 214, 1986/00
被引用回数:33 パーセンタイル:93.33(Materials Science, Multidisciplinary)中性子照射した-LiAlO中に生成したトリチウムの加熱放出挙動、特にトリチウム放出速度を中心に研究を行った。真空中で、1170Kまで加熱することによって、-LiAlO中に生成したトリチウムは、すべて放出されることが明らかとなった。その化学形は、大部分(約95%)HTOであった。HTO(g)放出過程では、トリチウム(T)の-LiAlO結晶中での拡散が律速であることが判明した。630から925Kの温度範囲におけるトリチウムの拡散係数は、D=2.110exp[-90.3(kJmol)/RTcms,であった。-LiAlOに対するトリチウムの拡散係数は、同温度範囲において、LiOのそれと比較して、約2桁小さいことが判明した。
倉沢 利昌; 渡辺 斉; Hollenberg, G. W.*; 石井 慶信; 西村 昭彦; 吉田 浩; 成瀬 雄二; 相沢 雅夫; 大野 英雄; 小西 哲之
Journal of Nuclear Materials, 141-143, p.265 - 270, 1986/00
被引用回数:34 パーセンタイル:93.68(Materials Science, Multidisciplinary)固体増殖材からのトリチウム放出は照射試料の置かれた環境やトリチウム測定装置の性能によって正確に測定できるかどうかが左右される。特にLiOの場合には前回実験のVOM-15Hの結果からもスイープガス中の水分濃度に強く影響されることがわかっている。したがってVOM-22Hでは装置の改良を行った。特にトリチウムの還元については固体電解質セルの採用により応答性をよくした特長をもつ。本実験では試料温度を変えた時のトリチウム放出の時間依存性を調べた。その結果低い温度ではトリチウム放出は拡散のみに支配されていることが明らかになった。一方、より高温で変化の早い場合には電離箱等による遅れ時間を補正してやることが必要であることがわかった。 LiOとLiAlOのトリチウム放出を比較した時、同じ大きさの結晶程度をもつ試料では約300C低い温度でLiOからのトリチウム放出がおこることが明らかになった。これはLiOがトリチウム増殖材として優秀であることを明確にしている。
大野 英雄; 小西 哲之
J.Am.Ceram.Soc., 67(6), p.418 - 419, 1984/00
被引用回数:31 パーセンタイル:84.73(Materials Science, Ceramics)最近リチウムを含む酸化物あるいは窒化物系化合物は、リチウムイオン導電性の良い電解質材料として注目を集めており、常温作動の可能な固体リチウム電池あるいは、リチウム同位体分離、回収などへの応用を考えた研究が始められている。本論文では、耐水性の比較的良いLiSiOおよび-LiAlOについて交流二端子法を用い、そのイオン伝導度を1000Cまで測定した。いづれにおいても、固有欠陥領域と不純物欠陥領域が観測され、不純物欠陥領域でのリチウムイオンの拡散に伴う活性化エネルギーは、核磁気共鳴法による格子-スピン緩和時間(T)の測定から求めた活性化エネルギーと良い一致を示した。
松尾 徹*; 大野 英雄; 野田 健治; 小西 哲之; 吉田 浩; 渡辺 斉
J.Chem.Soc.,Faraday Trans.,I, 79, p.1205 - 1216, 1983/00
LiO、LiSiOおよびLiAlOからのトリチウム放出挙動の解明は、核融合炉ブランケット材の重要な研究項目の一つであり、数多くの報告がなされている。一方、これらのリチウム酸化物はリチウムイオンの良い導電体として優れた機能をも持っている。本稿では、これらの物質におけるリチウムの微視的挙動をパルス法による核スピン-格子緩和時間(T)の測定を行い、解明したものである。中性子照射により生ずるトリチウムの拡散機構を解明する上で、貴重な情報が得られた。